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スタッフインタビュー

各部門スタッフに当事務所を選んだ理由から入社後の感想などをインタビューしました。

02  技術本部(外国) 弁理士をめざしたのは、技術を権利化して守るという仕事に、大きな使命感を感じたからです。 技術本部(外国)所属 山本 哲朗

入所までの簡単なプロフィール 大学院で天体物理学や流体シミュレーションの研究に従事。卒業後は、8年間、システムエンジニアとして大手電機メーカーにおいて、システム開発、プロジェクト管理(工場の生産ラインの立ち上げ、官公庁のサーバ導入)などに携わる。
弁理士をめざした理由 弁理士は「知財のプロフェッショナル」と認められている資格。発明者との打ち合わせの中で、まだ世に出ていない新しい技術に触れる機会もあり、そのような技術を権利化して守るという仕事に大きな使命感を感じたから。(2018年、弁理士試験に合格。)

やりがいを感じるのは、拒絶理由を覆して
出願を特許査定につなげたとき。

— 入所のきっかけは、アインシュタインだったとか?

ええ。小学生の当時、憧れであったアインシュタインの伝記を読んでいて、彼がスイスで特許審査官をしていた時期があることを知り、「特許」とは一体どんなものか気になったのが、そもそものきっかけです。

やがて社会人となり、特許庁での種々のプロジェクトに携わったことで、本格的に知財の世界に興味を持つようになりました。知的財産権の制度自体について勉強し、知的財産管理技能検定の資格も取得しました。このような流れの中で、いつか知財の世界に飛び込んで、新しい技術が適切に保護されるよう活躍する仕事に関わってみたいと思っていたところ、偶然に当事務所の募集を見つけ、志望したわけです。

— いま、どのような仕事を?

技術本部(外国)に所属し、主に①「外国への出願を想定した出願書類の作成」、および②「出願後の権利化に向けた手続き」を行っています。

①の場合、外国語(多くは英語)で出願書類(明細書(※1)など)を作成します。しかし、日本語で作成した資料(発明者との面談時の資料、日本で出願済であれば出願資料など)を基に翻訳すればいいというものではなく、より詳細なものが必要になります。というのは、多くの国で、明細書への「新規事項追加の禁止」があるため、発明の説明に不可欠と思われる事項は、最初から事細かく盛り込んでおく必要があるからです。

次に②について説明します。出願して一定の期間が過ぎると、その国の特許庁により審査が行われ、特許として認められない理由が見つかると、拒絶理由通知が発せられます。②は、この拒絶理由通知に対する対応策をクライアントに提案し、共に対応方針を立て、その方針に基づいて現地代理人に応対を依頼するというものです。

ですから、技術本部(外国)の仕事を進める上では、語学力、発明やその発明の属する技術分野に関する理解、各国の法制度についての知識が必要になります。

(※1)明細書:発明の属する技術分野、従来技術との比較、発明の持つ効果などを詳しく記したもの。

— やりがいを感じる時は?

②の拒絶理由を覆したときですね。審査官の主張に対してまったく反論の余地がないと思われた拒絶理由に対して、ピンポイントの反論を見つけ、それによって出願を特許査定につなげることができたときです。

拒絶理由通知に対する対応は、審査官の主張とクライアントの主張がぶつかり合う場面といえます。クライアントにすれば、大した反論もしないで審査官の主張を認めてしまうのは、負けに近い状況といえます。そのため、審査官が展開する論理に飛躍はないか、審査官は正しく発明内容を理解しているか、などをチェックして主張を覆すことができないかを検討します。綿密さが求められる仕事ですが、審査官の主張を覆すことに成功すれば、クライアントにとって大きな利点になります。

弁理士の仕事は、今後さらにコンサルタントとしての比率が増えていく。

— 弁理士の存在意義や価値とは?

弁理士の仕事は、明細書を書いたり、文献を読み込んで発明同士の比較をしたりといった、わりと定型的な仕事が大きな割合を占めているのですが、今後は、クライアントとの打合せにおいて、クライアント自身も明確に意識していない要望を抽出するとか、クライアントに対して提案をするだけでなく、現場で一緒に問題解決にあたるとか、コンサルタントしての仕事の比率が増えていくのではないでしょうか。

弁理士には「知的財産のプロフェッショナル」という要素も大事ですが、「クライアントに親身になって共に行動する」という要素があってこそ、成立するものだと考えます。そのような弁理士として、将来、自分も評価されるようになれたらと思います。

— 仕事をするうえで、日々、意識していることは?

自分で仕事の範囲を決めてしまうのではなく、依頼された範囲以上の仕事ができるよう、守備範囲を広くもつことを意識して仕事を進めるように心がけています。事あるごとに“余計なことに首を突っ込む”姿勢と言ってもいいかもしれませんね。

与えられた仕事以外の仕事から距離を置いて、他人事と思ってその場をやりすごす姿勢は、たやすく、気楽なのですが、そのような姿勢は、成長に向けたチャンスを自ら手放してしまうように感じます。

視野を広くもって、クライアントであったり同僚であったり、困っている人が身近にいたらなんとかして助ける、という気持ちは、常に持っていたいと思います。

Schedule ある日の一日

08:00
出社。メールのチェック。拒絶理由通知が届いていたので、それに対する「提案書」「意見書」「補正書」を作成する。
10:00
クライアント来訪。先ほど書いた「提案書」を見せながら、共に対応策を練る。この日のミーティングは長引き、ランチを共にする。
13:30
事務所に戻り、メールチェックの後、引き続き「明細書」「提案書」などを作成する。
17:00
後輩に仕事上の相談を受けたので、アドバイスがてら飲みに行く。

Message

当事者意識をもって、ひとつひとつの仕事に取り組む姿勢が大事です。

単に特許事務所の一員として仕事をこなすだけでなく、一緒に仕事をする相手(発明者、企業の知財部の方、さらには同僚も含めて)が、一体に何に困って私に依頼されたのだろう、と考えて、問題解決に向けた提案をするようにしています。

依頼内容を掘り下げて、依頼の裏に隠されている真に解決すべき課題を見つけ出すことも、知財のプロとしての仕事だと思っています。

仕事に慣れてくると、案件が多い中でどうしても流れ作業で仕事をこなしてしまいがちですが、忙しい中にあっても、当事者意識をもって一つ一つの仕事に取り組む姿勢は必要だと考えています。

01 技術本部(国内) 山ノ下 勝広 02 技術本部(外国) 山本 哲朗 03 意匠・商標グループ 厚木 薫 04 国内事務 高橋 悠